いよいよ夏の虫

イチゴ畑に夏の虫の幼虫を見つけた。キリギリス科のなにか、かな。もっときちんと調べろ!って感じですが、幼虫の資料は少ない。
この春、昆虫をテーマにした企画展を担当した。昆虫展といえば夏に開催するのが相場だが、わけあって春の開催だった。どうせ春に開催するならば、と思って幼虫を展示しようと思った。標本箱、図鑑など、成虫は目にする機会が多いのだが、幼虫は少ない。特に「イモムシ」などは嫌われる対象でもある。アゲハはその美しさを多くの人が愛でるが、幼虫が葉にたかっているのをみつけるとあからさまに嫌な顔をしたり奇声を上げたりする。でも、多くの虫では、一生の大部分を幼虫の姿で過ごしている。企画展で展示したジュウシチネンゼミなんかはその典型例だ。
結局、企画展では幼虫の展示は1コーナーにとどめる格好になったが、興味深く見ている人がいると嬉しかった。幼虫は水分が多くてなかなか標本にしづらく、成虫に較べて標本化されている例が少ないのだが、最近では水分を樹脂に入れ替える方法で標本をつくる技術がある。
タイトルから話がそれてしまったが、幼虫を見て思い出した。あの企画展の最中の3月11日、大震災があった。