イチモンジセセリ

台風の雨が去った。でもまだ曇り空。台風12号はまるで歩くようなノロい速さで移動し、ようやく日本海へ出た。紀伊半島や四国では大きな被害が出て、支社や行方不明者が多数に上った。県内でも山中湖をはじめ、県南や山沿いでかなりの雨が降ったようだ。1年分の降水量がたった3日で降ってしまったところもあったようだ。
今年は大震災もあったし、自然災害が印象的な年になった。まだ夏が終わったばかりだけど、今年の印象と聞かれればきっとそうなる気がする。
久しぶりに畑に行ってみた。市民農園の畑の多くは、雨や風の被害を受けている様子が分った。それに、しばらく畑に来られなかった人が多かったと見えて、雑草や作物が伸び放題みたいなところもあった。
我が家の畑は、台風の前に来ることができて草刈はしておいたのだが、ナスが倒れたり、モロヘイヤが倒れたりしていた。
一方、ニラはすっかり花盛りとなっている。ニラの花は近くで見るとなかなかきれいだ。甘い蜜を出すのだろうか、チョウをはじめとする様々な昆虫が集まっていた。
セセリ蝶は体と羽が茶色いせいもあってか、とても地味な印象だ。一番好きなチョウは?と聞かれてセセリと答える人は研究者を除いたらたぶんいないのではないかと思う。でも、アップで見ると目玉が大きくてかわいらしい顔をしている。このセセリ蝶はイチモンジセセリという種類。羽の模様が特徴だ。ニラの花に止まったイチモンジセセリは、長い口吻を伸ばしてチューチューやっている。
セセリ蝶の種類は、体が太くて羽が小さい。だから飛ぶときには比率的に大きな身体を飛ばすために羽を勢い良く羽ばたいている。おなじみのチョウの種類が、体が細くて羽が大きいのと比べて、どちらかというと蛾に近い感じだ。激しく羽ばたくためには強い筋肉が必要だし、たくさんのエネルギーが必要だろう。このところの天気では蜜を吸うのもままならなかっただろうから、どっさり吸って飛んでもらいたい。だから、ニラの花はそのままにしておいた。