ツバキのこぶ

今日は穂坂に行ってみた。赤坂台から先へ進むと、なだらかな斜面がのどかに続いている。
最初に着いた場所で散策していたら、ツバキかサザンカか区別がつかないのだけれど、幹に出来た「こぶ」に目が行ってハッっとした。まるで「胎児」のような形だ。頭を下にして、小さな足の膝を折り曲げて丸くなっている様子に見える。

そこからのんびり歩いて集落の石塔を見て周った。遠くの山がかすんで見えるほど風の無い日で、小春日和の好い天気だったので、なだらかな坂道でも少し汗ばむほどだった。立派な門構えの家や大きな蔵を持つ家がいくつもある、歴史を感じさせる町並みは、良い天気も手伝ってか明るくて気持ちが良かった。
石塔を見ていたらおじいちゃんが声をかけてきた。「これらを調べに来たんか、これはなあ、ここらの15軒が集まって、、、、」と説明をしてくれた。「もっと下の方にもあるぞ」と言われたが、それは既に見てきたものだった。話は道の下を流れている暗渠のことになって、「この水は塩川からの来とるだ、昔の人はすごいな」と言った。ここで石塔について質問したのだが、そのまま行ってしまった。どうやら耳が遠いらしい。いくつかの溜池があり、用水を誇る。それらが、かつて水に苦労した土地であったことを忍ばせた。