荒川雪景色

雪の日に撮り貯めしたな、と思われてしまいそうだが、そのとおり。
荒川は、甲府の北方にそびえる高峰「奥千丈岳」に源を発する。南流しながら奥秩父の山々から水を集め、その水で長年をかけて僅かずつに硬い花崗岩を削って作り上げたのが、名勝「昇仙峡」。更に南流すると平瀬浄水場で取水され甲府の人々の喉を潤す。そして街中に入り、左へ右へと緩やかに蛇行しながら、やがて東から来た笛吹川と流れを合わせる。
今では治水も進み、立派な堤防が流れの左右にそびえるが、かつてはその名前が示すように暴れ川として時おり甲府の町に水害をもたらした。
荒川の土手には何本かの榎(エノキ)の巨木がそびえている。土手は周囲よりも高く他に木が少ない場所だけに、これらの榎は遠くからでも良く目立つ。写真にも1本写っている。丸い樹形の木がそれだ。甲府では国蝶と言われる「オオムラサキ」の姿が見られることがあるが、オオムラサキの食草は榎だ。もしかしたらこの木のどこかにも冬越ししているオオムラサキの幼虫がいるだろうか。