雪の上の足跡

昨日から続く冷たい雨は今日も終日降り続いた。屋内の仕事とは言え、気分が悪い。嫌になってしまう。こんなに寒いからもっと寒い雪の日の写真で在庫一掃。
河原から川の水面近くまで降りることができる階段に、こんな足跡が付いていた。何かの鳥だということはわかる。川にはカモが何羽か浮いているが、足跡には水かきが付いていないのでカモなどの水鳥では無いようだ。飛んできたことも判る。そして飛んでいってしまったことも判る。どこかから飛んできて、階段を蛇行して歩き、一段も登らずに段差のところまで来たら再び飛び立った。何のためだろう。
こういう不思議な行動をする人がたまにいる。もちろん飛んでいるわけではなく歩いてやってくる。不意にやって来ると、特に誰かに声をかける訳でもなく、部屋の何かを手に取るわけでもなく、少しの間たたずんだ後に再びどこかへ歩いて行ってしまう。もう7〜8年前のことになるが鮮明に覚えていることがある。ある男子職員が部屋に戻ってきた。しかし彼は入り口のところで立ち止まったまま何をするわけでもない様子、おやっ?、っと思って顔を上げて彼を見ると、彼はなんとゲップをしてそれから3秒後ぐらいに立ち去ってしまった。僕といっしょに顔を上げた女子職員は「あいつ、何しに来たんだ」とちょっと怒った感じで言い捨てた。それが可笑しかった。ゲップには少なからずあっけに取られたが、その後の一言のタイミングというか雰囲気みたいなものに救われて愉快な思い出になった。ほんの短い時間の出来事だった。