二宮尊徳像

小学校の授業参観があった。平日なのでお父さんの姿は少なく、お母さんばかりだった。でも中にはスーツを来ているお父さんの姿もあって、午前中で仕事を終えて駆けつけた様子が窺えた。明日から連休なので、子どもたちと一緒にお出かけなのかな、と想像した。一方の僕は、授業参観のためにしっかり休みを取っていた。午前中はのんびり過ごし、クーポン券を使って吉田風のうどんを食べに行ったりしていた。そして明日からは連休でごった返す職場の仕事が待っている。
28日からの3連休にプラスして、小学校は5月1日も休みで4連休となる。5月1日が休みの理由は学校創立記念日とのことで、今日はそれに関することを解説したプリントも配られた。
学校の創立は明治6年。西暦では1873年になるので、139周年ということだ。だたし、尋常学校としての創立は明治20年(1887年)の5月1日としているので125周年ということにもなる。ウィキペディアを見たところ、1887年は中央気象台設立の設立、その前身の東京気象台設立が1875年ということだから、娘が通う学校は気象庁と同じような歴史を持っていることになる。配布されたプリントには、大正3年(1914年)に修学旅行実施、昭和14年(1939年)には写真の二宮尊徳像が建設されたとある。1914年は第一次世界大戦、1939年は第二次世界大戦がそれぞれ勃発している。長い間にいろいろなことがあったわけだ。
僕が通っていた小学校は、開校後まだ数年の新設校だった。だから二宮尊徳像も太い桜の木も無かった。もう40年近く昔のことだ。今は桜も太くなっているのだろう。
ところで、今日の授業参観の科目は国語で、「たんぽぽのちえ」というのをやっていた。これがやけに脳みそに響く。娘は近頃、宿題で音読もしていて、そのたびに気になっていた。さっき、ためしに光村図書のウェブサイトを見たら、昔の教科書の目次が出ていた。僕が小学校2年生の頃に使っていた教科書にも「たんぽぽのちえ」があった。二年生の教科書で、今も残っている題目はこれだけだった。40年も読み次がれている。なんだかとても嬉しかった。
卒業式で合唱する歌が「仰げば尊し」と「蛍の光」だったのがきっと何十年も続いていたことだろうが、最近はビリーブや生きものがかりなどを歌ったりするようになった。卒業式に参列した親やおじいちゃんおばあちゃんは、その合唱を聞いても昔の思い出に浸ることができない。変わってしまったのは残念だと思っていた。でも、「たんぽぽのちえ」は変わっていなかった。昔とは様変わりしてしまったことばかり気になるものだが、娘が僕と同じものを僕と同じ年齢で習っている。変わらないことはなかなか良いものだ。