県庁の大窓

山梨県庁の敷地の中には、昭和一桁時代に建設された二つの建物がある。そのうちの一つが旧本館で、映画やテレビの撮影でも時々使われる。この窓はその旧本館の一番東側にある階段踊り場にあるもの。アルミサッシに作り変えられてはいるが、上辺がアーチになった大きな窓は十分に重厚感を感じさせる。窓の向こうに見えるのは、甲府城の石垣と木々の様子。そこから道を挟んだこちら側も、もともとは甲府城内だ。
仕事上、年に何度かこの建物に行くことがある。やや急な階段は手すりがずいぶん丸くなっている。建設時には現代の電化社会を想定していなかったのであろう、視線を上げるとそんな様子を物語る景色が見える。それでも、しっかり造られた昔の建物はいいなあ、と思わせる。