母校の景色 9

おみやげ
地学室の隅っこに棚が会って、そこに様々な石が置かれていた。そこを何気なく見ていたら「OB 三陸」と書かれた箱に乗っている石があった。それがどういう石なのかは白く埃が乗っていてよくわからなかった。でも、きっと僕らが持ち帰ったずいぶん昔のお土産だ。
高校を卒業して2年目の夏、1年下の後輩Kが企画して大船渡へ行った。当時はまだ東北新幹線もなく、一関まで夜行列車で行ってそこから早朝の大船渡線に乗って揺られたような覚えがある。当時まだ3年生の現役の後輩も含めての旅行だった。(と思うのだが、この辺のところは記憶があいまいだ)
大船渡では民宿に泊って、ウニをはじめとする美味しいものを食べ、碁石海岸で海水浴を楽しみ、翌日は山へ化石取りに行った。ウミユリなどの化石を見つけた。K先生がいなくてもちゃんと化石採集ができるようになっていた。
棚にあった石は、きっとそのときに持ち帰ったウミユリかフズリナか何かだろう。数億年に数十年が加わった昔のものだ。