石仏

展示物などの造作を手がけるアトリエに行った。山梨県に近い東京の西部、車1台がやっと通れるほどの狭い住宅地の道を入って行くと、そのアトリエは不意に現れる。古いプレハブの室内には、ベニヤ板や発泡スチロールをはじめ、様々な材料が並ぶ。更に大小の工作機械や工具が所狭しと並べられ、工作好き男子たちにとってはまるで秘密基地の風情だ。
アトリエの庭先には、写真の石仏があった。庭といっても車が縦に3台ほど並ぶスペースがあるだけで、それを挟んで建物の向かい側に篠竹が生えていて、石仏はそこに鎮座している。まるで田舎の家に見られる氏神様のようだ。でもこれがFRP製でこのアトリエの作品だと聞くと、驚いてあらためて凝視してしまった。