ウィン太郎

我が家の自家用車には「ウィン太郎」という名前が付いている。日産のウイングロード、もう長い付き合いだ。

ウィン太郎というと、2009年の暮れの出来事を思い出す。
12月30日に、千葉の実家へ行こうということで家族みんなで出かけたら、20号線の石和あたりで信号待ちの際にエンジンが止まってしまった。寒い日だったから、まだ温まっていないのかな、と思いながらエンジンをかけなおした。信号が変わったのでアクセルを踏んだらちょっと進んだところで再び止まってしまった。再びエンジンをかけなおして今度は慎重に進んだが止まってしまった。すぐそばにガソリンスタンドがあったので、だましだまし走ってそこへ入った。スタンドのおじさん(おじいさん)に診てくれと言おうと近づいたが、おじさんは「わからん」と言って手を振る。診てもくれようともしない。更にお願いしようと近づくと、「ジャフジャフ」と言われた。
JAFを呼んで診てもらったら、燃料ポンプの故障だと診断された。その場では直せないという。そして悪いことに修理工場は皆、年末年始の休みに入っている。本来ならば修理工場に直行するはずのところだが、団地の駐車場に運んでもらうしかなかった。4WDなので前だけ乗せるのではなく、車体全体が乗るようにオプションの器具を使わなければならなかった。
家で一息つくと、今度は歩いてレンタカー屋さんに行き、すぐに借りられる一番安い車をお願いした。なんだかレンタカー代がとても惜しいものに思われ、1日には返してしまった。
それからは甲府で車の無い正月休みを過ごした。それはそれで悪いものではなかった。肝心の自動車修理工場は、早いところで6日からの開店だった。だから、仕事が始まるのが先になってしまい、同僚の車に乗せてもらって清里の勤務先へ行った。たった1日だったが、それも非日常的で面白かった。
そして6日になって再びロードサービスをお願いして修理工場へ運んでもらった。修理が終わってウィン太郎が戻ったのは8日。動くウィン太郎に乗ったのは10日振りだった。

このたび車を買ったので、納車の日で長い付き合いのウィン太郎ともお別れとなる。十年近い長い付き合いの中、大きなトラブルはこの1度だけだったと思う。おつかれさま。