PowerMacG4MDD復活

今夜、五年ぶりにその画面を見ることができた。
もともとこの機種は特殊な薄型形状の電源を使っていて、それが仇でか電源の故障が多いらしい。僕が持っていた固体も、御他分に洩れずその憂き目に遭ってしまった。

ある日のこと、作業中に突然電源が落ち、電源ボタンを押しても立ち上がらなくなってしまった。どうしたものかと本体を開いてみたら、なんだかやけに複雑で、ネットで調べて電源の取り外し方を見つけた。それがなんとappleのサイト内で、故障した電源の交換のマニュアルだった。この検索の際に、故障が多いこともよく分かった。これってリコールでもおかしくないんじゃないの、と思いながらマニュアルに沿って電源を外し、いっそ電源も開いてみた。そうしたらガラス管ヒューズが切れていた。ヒューズを替えて直るものでもないかもしれないが、それでうまく行けばと思って街に出た。そうしたらそのヒューズもあまり無い規格のもので、家に戻ってあちこちに電話をかけ、ようやく入手した。ヒューズを交換し、電源を取り付け(取り付けるだけで一苦労)、電源ボタンを押してみたら、ポンという音がして再び壊れてしまった。電源を外して見てみると、またもヒューズがやられていた。
それからは「何とかしなきゃ」思いながら日々が過ぎ、やがて「何とかしなきゃ」の意識も薄れていった。そして最近、「何とかしなきゃ」の気持ちが再び盛り上がってきた。ヤフオクでG4MDDの電源をATX電源に置き換えられる変換ケーブルを作って出している人が居た。僕はその人の商品に頼ることとし、先ほどその取り付けが終わった。
ボタンを押すと、見事に立ち上がった。時計は狂っていたが、デスクトップはそのままで、とても懐かしい気持ちがした。早速 iPhoto を見た。娘たちが小さな頃の写真がたくさんあった。僕も髪がまだ黒かったころの姿があった。写真は2008年で終わっていた。このMacを眠らせていたのは三年ちょっとぐらいと思っていたが、なんと五年もの長い間だったのだ。ヤフオクで買ったケーブルと電源が2013年と2008年をつなげてくれた。ありがたい。もっと早く復活させればよかったのに、と思った。
OS9も使える貴重な機種なので、明日からはもっと昔の思い出を掘り出してみようと思う。