アカマツのパイプ

今日、立ち寄った神社の裏山に遊歩道が続いていたので登ってみた。周囲を杉に囲まれたアカマツ林だった。ふと、一本の太い赤松から直径2センチほどの黒いパイプがぶら下がっているのに気付いた。見上げてみると、ずっと上のほうから垂れていて、中ほどで一度幹に入り、そこからまた外に出て下まで続いている。垂れ下がった一番下の先端は何かのジョイントになっている。見渡すと他の太めの木からも同じパイプが垂れ下がっている。弱った木に栄養でも与えているのだろうかと思った。
もう少し登っていくと、道が終わりになった。そこに看板があったので読んでみると、松喰い虫の被害について書かれているものだった。あのパイプは松喰い虫に関する何かの薬を注入するためのものだろうと思った。再び来た道を降りていくと、立ち枯れているアカマツが何本か認められた。林の一部は切り株が幾つもあって明るくなっている場所もあった。明るくなっているところでは、短く切られ積み重ねられている丸太が朽ち、そこからアカマツの苗が生えているところもあった。
大学生の頃、茨城の先輩Mさんが松喰い虫被害について話していたことがあったのを思い出した。何十年もかかって育った木が、建材として二束三文どころか値段も付かないような被害なのだと怒っていた。