大雪2nd-5

「夕暮れた雪国の町」という雰囲気。
僕はこのぐらいの斜めに差し込むやや橙色の日ざしの中の町並みをよく見ていた時期があった。就職2年目からおよそ9年間、仕事で僕が担当したのは北国の道県であった。商談が終わり、次の場所へ移動するのは概ね夕方の列車だった。東北本線であったり、奥羽本線であったり、函館本線室蘭本線も。そこから見える景色は、北国の夕暮れの淡い橙色の光線が当たった町並みであることが多かった。「こういう所に住んだら大変だろうな」と、住んでいる人には申し訳ないような気分になりながら、窓の外を過ぎていく景色を見ていた。
そんな景色が今は近所に見えている。