海鮮丼

先日、娘たちが学校に行っている間に、妻と二人で海鮮丼を食べた。マグロの赤身、カジキ、ホタルイカイカ、カツオ、イクラ、蟹爪、菜の花、卵、生桜エビなどが入っていた。僕は真っ先に漬物を妻の丼に移した。この写真の一番右に写っている橙色のやつがそれ。妻は笑いながら受け取ってくれた。醤油を小皿に取り、わさびを入れて、最初の刺身を箸に取ると、その大きさに驚いた。ちょっと一口ではつらい大きさだ。それを何口かに分けて食べ、2枚目を食べ始めたような頃だった。
カウンターの隣の席に座っていた人に「あのー」と声をかけられた。そちらを向くと、「イクラ、お好き?」と言われた。何のことだろうと面食らっていると、自分のお膳を端を少し持ち上げながら「イクラ、お好き?」ともう一度尋ねられた。「え、あ、はい」というような感じで答えたと思う。すると「じゃあ、もらってくださいな」とシソの葉に載っているイクラを差し出した。「えー、良いんですか」と返すと、「私たち二人ともイクラが苦手なんです」と隣の人のことを指差して言った。僕が丼を向けると、そこに二人分のイクラを入れてくれた。「ありがとうございます」「なんか、きれいな盛り方じゃなくてすみません」そんな会話をしながら、妻と二人で恐縮してお礼を繰り返した。そして、僕はそのうちの1人分を妻の丼に移した。
一切れ一切れが大きい、しかも美味しい。そんな海鮮丼を食べ進むが、なかなか減らない。空腹だったはずのお腹は、半分くらい食べ進んだあたりで満腹感を感じるようになった。全部食べきるのが大変だった。隣の人たちよりも一足先に食べ終わった我々は、もう一度礼を言って席を離れた。なんとも得をした。
その日は、晩御飯の時間になってもお腹がすかなかった。