ルナリア

ギンセンソウ(銀扇草)、ゴウダソウ(合田草)、オオバンソウ(大判草)などとも呼ばれる、二十世紀始めにヨーロッパから移入されて帰化した植物。
1926年にドイツのハイデルベルグで発見された小惑星に、この草の名前が付けられている。ハイデルベルグとはドイツ南西部にある町ハイデルベルグのケーニッヒシュトゥール天文台のこと。見つけたのはのカール・ラインムート。ハイデルベルグではこの頃に大量の小惑星を発見している。1926年だけを見ても、14個の発見のうち9個がラインムートによる発見だ。
ラインムートは395個の小惑星を発見しているが、その偉業を可能にしたのは、師匠のマックス・ヴォルフが確立した写真を利用した探索法にある。ウォルフ自身も284個の小惑星を発見しており、この頃の小惑星リストを見ると、1891年頃から1933年頃にかけての40年余りはまさにハイデルベルグだらけである。
マックス・ヴォルフと言えば、プラネタリウムの開発に深く関係した人でもあり、プラネタリウムは僕にとって長いこと仕事の対象だった。だから、ルナリアという草のことを調べていてヴォルフの名前に当ったときは、妙に感慨深かった。