花壇

次女の小学校の花壇は、色とりどり花盛りだった。
僕が小学生の頃のこと。各クラスに1つずつの花壇があった。1年生では朝顔、2年生ではひまわり、というように理科の教科書で扱う植物を植えていた。1学年に7クラスもあったマンモス校だったが、学年で一番成功していた。中にはまるで草刈もせずに荒れ放題の花壇もあった。2年生の秋にはアブラナの種を蒔き、春には花が咲いた。そして、入学式の日から一緒だったクラスメートとはクラス替えでお別れとなり、担任の先生は人事異動でお別れとなった。花壇については、校長先生も変わったせいもあったのか、各クラスに割り振られることも無く、アブラナはそのままだった。3年生になってしばらくしてからのこと。理科の授業でアブラナを持って来いということになった。それが宿題だったか任意だったかは忘れたのだが、当日の朝に花壇に残っていたアブラナがブチブチに千切られ、踏み付けられてしまった。その頃のアブラナは花も終わってしばらく経ち、種が大きく膨らんでいた頃だった。そうやって次の学年での学習に利用されるのは良い連鎖だとは思いつつも、やられてしまったな、と悲しいような悔しいような気持ちになったのを覚えている。