旧エチオピア国旗

先日の日記で万国旗を扱った際、「ガーナ?」と書いた旗について気になっていた。と言うのも、ガーナの国旗には中央に黒い星印が描かれているからだ。早朝、ワールドカップのテレビ放送を横目で見ながらウィキペディアなどで調べてみると、旧エチオピア国旗だとわかった。
エチオピアでは18世紀終わり頃からこの色合いの旗を使い始めたとのことだが、ときどき旗のデザインが変わっている。現在の旗は1996年から使われているもので、緑黄赤の横縞の中央に青い丸とその中に黄色い線で星が描かれている。似たような感じのデザインで中央に当時の国章をあしらった旗は1987年から1991年までのわずか4年間だけ使われた。1975年以前には中央に王冠をかぶったライオンが居た。僕が子供のころには、この旗が図鑑などに載っていたのを思い出した。僕は好きな旗ではなかった。子供は概ね描きやすい旗が好きなものだ。そして中央に飾りの無い緑黄赤の横縞のみの旗は、1975年〜1987年、1991年〜1996年用いられた。写真の万国旗はその頃に作られたのだろうか。
政権や政治体制が変わる節目で変わってきたエチオピア国旗だが、緑赤黄の横縞というベースデザインは200年以上変わらない伝統がある。そしてエチオピアは、アフリカ大陸全土がヨーロッパ列強の植民地にされていたときにも、唯一独立を保っていた国でもあった。1960年前後に相次いでヨーロッパからの独立を勝ち得たアフリカ諸国がこの色合いの旗を掲げたのは、エチオピアへの敬意を持ってのことかもしれない。1957年に独立したガーナは最初にこの色合いを取り入れ、上下の順を入れ替えて黒い星を入れた。
このエチオピアの横縞を縦縞に変え左から赤黄緑の順にすにると「ギニア」の旗になり、ギニアの左右を入れ替えると「マリ」の旗になる。マリの旗の中央に緑色の星印を入れると「セネガル」になる。他にもこの色合いの旗を使っているアフリカ諸国は多い。