宅地物件

ここは1軒の豪邸があった場所だった。それが取り壊された。コンクリート造の立派な建物で、塀もコンクリートでできた高いもので上には木が植わっていた。取り壊しには重機が何台も入って長い期間がかかった。もったいないな、と思ったが、やがてすっかり更地になってしまった。そう思ったのもつかの間、なんと4区画に分割された宅地になってしまった。甲府市は人口が減っている。山梨県も、日本も人口が減っている。それなのに1軒分の土地を4つに分けて販売する昭和時代的なやり方がまだ行われているのだ。あの大掛かりな解体〜更地の工事費も土地価格にしっかり上乗せされるのだろう。それでも買う人がいるのだとすればこそ、売る側も大きな費用をかけてまで造成したわけだ。どうもこのあたりの関係にこの国の問題の根源のひとつがあるような気がしてならない。