アレチウリ

デビルはこうしてくるくるの蔓を伸ばして絡みつき上って来る。幹を自ら立ててそれを強めながら先のほうへ行くに従い細い枝になって成長するというプロセスは無く、幹の自立を放棄してひたすら同じ太さの蔓を伸ばして這い回る。そして自立した草や木に覆いかぶさり、時には重量を浴びせて倒し、葉で覆いつくして光合成のための日照を奪い取る。それがわれわれ人間にとって有益な実りをもたらすものであれば、キュウリやメロンやゴーヤのように同じような生き方の植物であっても重宝されていたことだろう。ツルムラサキのようにそれ自身を美味しく食べられるのであれば、これほど嫌がられることも無かったことだろう。