光速エスパーの頃

「バーババババビューンとそーらを飛び〜」で始まるTVの少年ヒーロー「光速エスパー」は、家電総合メーカー「東芝」のイメージキャラクターだった。今から45年以上も前のこと。僕がまだ小学生にもならない頃のことだ。TV放送見てたなあ。確か、相棒のような小鳥が肩に乗っていた。変身のときに発する言葉は「イー エスパー」だった。
当時は電器屋さんというのは各メーカーの特約店ということで、1つのメーカーの製品ばかりを扱っていた。だからメーカーも総合的に何でも作っていた。東芝、松下、日立、三菱、三洋、シャープなど。ソニーやビクターは特定の分野だけの専門メーカーっていう感じで、特約店というのは無かったな(ソニーはそれでも特約店時代末期にソニーショップなんていうのを展開してはいた)。
そして各家々も、町のどこかの電器屋さんに依存していて、電気のことはいつも同じ店にお願いすると言う風情だった。我が家の場合は三共さん(正式名称失念)という電器屋さんに工事も修理も購入もみんなお任せだった。そして三共さんは東芝の特約店だったので、我が家の電気製品はテレビも冷蔵庫も洗濯機もラジオも乾電池に至るまで東芝製品だった。
三共さんのお店のシャッターにも光速エスパーが描かれていたし、片手を空に向かって突き上げている光速エスパーの人形も店頭に置かれていた。何かと光速エスパーの販促品をもらったような覚えもある。
思い起こすと、昔と今とは随分違うものだ。東芝1社提供だったTV番組は「日曜劇場」「サザエさん」など複数スポンサー体制になったし、今では何から何まで作っている家電総合メーカーは無くなってしまった。電器屋さんも、故障品を持っていくと、テスターを持った技師さんが出てくるのではなくメーカー送りのための伝票とボールペンを突き出されるのが当たり前になった。