潜る飛行機雲

ある日の早朝のこと、空を見ていたら、地平線の方から飛行機が飛んで来て飛行機雲を作った。それが朝日を反射して橙色に見えていた。しかし、それは途中で途切れてしまった。夕方の飛行機雲はよく見るが朝の飛行機雲も悪くない、と思ってみていた側にとっては少々がっかりというところだった。早朝だったこともあってぼーっとそのままそちらの方を見ていたら、再び飛行機雲が見え始めた。へー面白い、と思って見ていると再び消えてしまった。そしてしばらくするともう一度飛行機雲が見え始めた。これはいよいよ面白いぞ、と思ってようやくカメラを取り出した。早朝だから何かと反応が悪いのだ。出て、潜って、再び出て、また潜って、そしてまた出て、まるでイルカなどが水族館の芸で見せる姿のようだ。
飛行機雲がよく見えると天気が悪くなるとも言われる。ちなみにこの日は、朝からずっと良い天気に恵まれた。