藤村記念館

僕が甲府に引っ越して来た頃には、藤村記念館の建物は武田神社の敷地内にあった。それが、甲府駅北口再開発に伴って駅前に移築された。ただし、どちらもこの建物がもともとあった場所ではない。この建物は、明治の初め頃に甲斐市亀沢に建てられた学校の校舎でとして長く使われ、取り壊し寸前のところで武田神社に移築されていたということだ。しかし、老朽化で取り壊しとなったところから実に50年以上が経過している。この「老朽化」という言葉はあちらこちらで実によく使われる言葉だ。しかし、この例をはじめとして「老朽化」という言葉は、考えてみると案外怪しいもののようだ。