神馬

小室浅間神社に行ったら、毛並みの美しい馬がいた。厩舎には神馬と書かれている。流鏑馬に使われる馬だそうだ。やがて馬の世話をしている人が来て干し草を与えていた。干し草の次には、砂糖を与えた。コーヒーなどに使われる細い紙筒に入ったグラニュー糖を3本あたえていた。馬はこれが好物のようで、首をひねって口を開け、砂糖を入れやすいように体勢をとる。この馬は北海道の日高で生まれ育ったサラブレッドで、中央競馬にも出ていたという。5歳でここに来たということだから、競馬の成績は芳しくなかったのかもしれない。しかし、神馬として扱われて生を得ているわけだから、多くの競走馬よりも幸せな境遇だろう。「甘やかされたので言うことを聞かない」と世話する人は言っていた。