シャガ

アヤメの仲間のシャガは、かなり古い時代の中国からの帰化植物外来種)だと書いてあった。
そもそも帰化植物というのは、外国から来たものをどのくらい昔まで遡ってそう言うのだろうと疑問に思った。それで更に調べてみたら、外国から入ってきたものという意味では無くて、人為的に持ち込まれたものをそう言うのだそうだ。だから、島崎藤村ではないが、遠き外国の島から流れ着いた椰子の実が、仮に着生し子孫を残したとしても帰化植物には当たらないようだ。なるほど。
帰化植物はとかく生態系を荒らす悪者扱いされることが多い。かつてはセイタカアワダチソウ、最近はアレチウリやオオキンケイギクなどが大きな問題になっている。でも、このシャガについては、3倍体なので種子を作らないということで問題視されることも無いようだ。つまり繁殖力の無さが冷遇を免れ、可憐な花をつけることでむしろ愛でられている。人間に当てはめて考えてみると、なかなか示唆に富んでいる。