赤蕪の畑

童話作家佐藤さとる氏が亡くなったという。僕は小学生の時に氏の筆による「誰も知らない小さな国」を読んで強く感動した。夕食の声がかかっても読書を優先させたのはきっと後にも先にもこの本だけだった。その後も続編の「豆つぶほどの小さな犬」をはじめ、短編集も含めて僕が手に入れられたものは大抵買って読んだ。道徳的なというか説教的なものがないのが何より良かった。村上勉氏の挿絵も良かった。
コロボックル物語を読んだ後は、どうしても周りが気になった。もしかして視野の端っこにいるかもしれないと気にかけ、草むらや畑ではしゃがんでのぞき込んでみたりと、ありえない遭遇に期待したものだった。
たしか、何年か前に子供に買ってあげた覚えがあるので、あらためてめて読み返してみようと思う。