蟻の巣

職場の玄関前の広場に敷かれた点字ブロックとコンクリートの境目に蟻の巣ができていた。掘り出した土が擂鉢状に積み上げられていたが、直径は20cmを超えるような大きさだった。アリも体調が1cmよりも長い大型の種類だった。僕は出勤してきたところだったのだが、こいつらは既にせっせと働いていた。

ここは山なので他にもいくらでも巣を作れる場所はあるのだが、何故、此処に作ったのだろう。きっとこの擂鉢は、遠足に来た子供たちによってその日のうちに蹴散らされるだろうし、スマホを見ながら歩いているような人に踏み潰される働きアリもいるだろう。