蜜柑

職場で葉っぱがついているみかんを頂いた。この場合「みかん」と書くべきか「蜜柑」と書くべきかあるいは「ミカン」とすべきか迷ったが、適当に散らすことにした。
みかんにはいくつか思い出すことがある。中でも、冷凍ミカンは懐かしい。家で食べることは無かったのだが、旅行の時の列車の中では是非物として欲しくなり度々買ってもらった。冷凍ミカンは普通に売っているミカンとは違ってジューシーで甘かった。しかし大きな欠点もあり、それが冷たいからこそ発生する結露によって周囲がびしょびしょに濡れることだった。早く食べてしまえばよいことだが、凍っているうちに食べたいのではなく、融けきる寸前のジューシーでシャリシャリしない冷たい実を食べるのが一番好きだったから、その時を待つ僕が食べる冷凍ミカンは十分に結露して水浸しになってしまうのだ。もちろん決して中身は濡らさない。そしてすべて食べ終わると、冷凍ミカンが入っていた赤い樹脂製のネットをくるくると巻いてリンゴの形にしていた。