街中の廃屋

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田舎町にはよく見られた廃屋が、街中でも普通に見られるようになった。僕が子供の頃ならば、人がすまなくなった家はたちまち取り壊され、更地になり、次の新しい家が建って人が済む。町のどこかで必ず家を建てている現場があったものだ。僕らはそういう場所に行っては、大工さんがくぎを打つ様子を眺めたり、材木の切れ端や建材のかけらをもらって帰ったりしていた。人口がどんどん増え、国民総生産がどんどん上がっていた時代だからだ。今は経済が停滞し人口は激減している。廃屋の中には、住人が他界し相続も絶えて持ち主がいない物も少なくないことだろう。