世間のランチタイムが始まる前に昼食を済ませた僕は、約束の時間まで1時間以上もあるので、散歩をすることにした。せっかくなので八丁堀の見どころを見ておこうかと思った。近くに堀部安兵衛の石碑があるという。歩いてどのくらいかかるかな、と思っているうちにもう着いてしまった。どうも感覚がつかめない。それでも、その石碑は広い道の向こう側だったので、別な場所へ先に行ってみることにした。15分ぐらい歩いたところに鉄砲須稲荷神社があった。江戸時代には富士塚で人気のあった神社のようだ。僕はここまで来たにもかかわらず、残念ながら神社や寺に対して興味を持っておらず、とりあえず「今日の仕事がきちんと問題なく終わりますように」などとささやかな神頼みをしただけでそこを去った。この辺りは古い集落だったようで、コンクリート造のビルばかりになっても道幅の狭さだけは残されてしまったようだった。両側の建物に江戸時代の雰囲気を感じる事は出来ないが、狭い道幅がその時代を思わせる。