身延線を散歩 その2(2)

続き。

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「通行止」の立て看板に臆することなく歩を進めると、右には猪の罠が見えた。いよいよ山越えだなという気持ちになる。

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大道という集落を過ぎると、道は二手に分かれる。道なりに右へ行けば、富士川沿いを南北に走る国道52号線に至る道。左は勝(かん)坂という集落を越えて市ノ瀬駅へ至る峠道だ。ここにも通行止の立て看板があったがそのまま登る。

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雲はいよいよ晴れて、日が照り続ける状態になった。道は急な登り坂で汗がどっと噴き出す。登っている間に車が2台通り過ぎて行った。1台はおばさんが乗っていて、歩いている僕の姿を怪訝な顔でみていた。もう1台は工事関係者と思われる車。暑さの中、天気予報めハズレやがって!と思いながら登っていると、やがてさっきのおばさんが乗った車が引き返してきて僕とすれ違った。通行止めの看板があっても工事していない場合は多いが、これは追い返されたなと思った。

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だいぶん登ったところで、右後ろ方向に分かれる道があった。上田原、大石などの集落へ抜ける道。

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ようやく峠についた。西の方向が開けて見えた。
峠付近に広がるのが勝坂の集落、ここからは下りだ。

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暫く降りたところで分岐。はてさて通してくれるかなと思いながら水飲み休憩していると、下の方からガコンガコンと大きな音が聞こえて来た。重機が動くような音だったり、杭を打っているような音だったり、大掛かりな工事のようだ。これは引き返す羽目になる確率が一層高まったなと感じ、分岐のもう一方へ行くことにした。

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分岐の道標の1枚は壊れて落ちていたが、その一枚が示す和平という集落へ向かう。

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分岐の道は狭くて木が覆いかぶさっている。地形図の表記では今まで歩いた道が細線2本(幅員3~5.5m)の道なのに対してこれから歩く道は線1本(幅員1.5~3m)の道になっている。道は狭いがずっと下りで多くが日影だったので快適に歩くことが出来た。車ぜんぜん来ないなと思っていたら、ミニパトが一台通り過ぎて行った。

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和平の集落が近いあたり、地形図では田んぼの記号が描かれている。それがこの写真の付近。道の下をよく見ると、川との間に棚田の痕跡と思われる形跡が見られる。ただ、あまり良田にはなりそうにない場所だ。今では杉が植えられている。

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棚田は、杉林の木々の太さから20年以上前に放棄され植林されたと思われる。

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和平の直前のところ、地形図では点線で描かれた道が峠を越えて市ノ瀬駅へ続いている。これを行こうかと思っていたのだが、堰の上に腐りかけた木の板が渡されたようなところだったので不安になって断念した。

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和平の集落へ到着。狭い山間の集落だ。峠越え前に通った広々明るい久那土集落にくらべると淋しい印象だ。

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分かりづらいので地形図を。図の一番上(北)に久那土集落、ここから黄色い道を右(東)へ進んで途中で南下すると隧道へ至る車が通る普通の道。今回は、久那土から赤く塗った道を進んだ。青く塗った道が断念した工事中の道、緑に塗ったのは堰から続く進まなかった道。
今日はここまで。和平以後の続きは明日。