渋滞

渋滞が好きだという人はきっといないだろう。僕ももちろん嫌いだ。だから渋滞しそうな時間帯に渋滞しそうな道には出かけないし、必要な場合は裏道を調べたりもする。でも、毎年の年末年始や夏の帰省時期には日本中で渋滞が発生する。ということは、渋滞が嫌いでも渋滞を仕方が無いものとして渋滞の中に進んで身(車)を置いている人も少なくない、とも言えそうだ。もちろん、仕事上の都合でやむを得ず渋滞に飛び込まなければならない人もあるだろう。
僕もかつてそういうことが何度もあった。そんなとき、たった一人だとつらい。二人であれば話をしながら気軽に待つことも出来る。特に気が合った人と一緒ならば、少々の渋滞はまるで気にならない。でも一人だと僅かな渋滞でもイライラしてくる。だいたい、急いでいるときに限って渋滞に巻き込まれるような気になってしまう。
そしてそういうときに限ってラジオ番組がどの局もつまらない。そのうち尿意がしてくる。ついさっきトイレに行ったばかりでも、なぜか尿意が襲ってくるのだ。座る形を少し変えたり、身を捩じらせてみたり、いろいろやってみても止まらない尿意。そのうち、我慢できずに出ちゃったときの嫌な想像まで始まってしまう。最悪の場合に備えてレジ袋なんか取り出しておいたりもする。
そして渋滞を抜けて最初に入ったコンビニのトイレが天国に感じる。「よく頑張った」と自分の膀胱を褒めてみたりして。