ひっつき虫

コセンダングサはキク科ということだが、見た目は菊の花とはまるで違い、花占いが終わった後の残りカスみたいな冴えない花だ。花が終わってからの方が、種が丸く広がって(写真下)むしろ花が大きくなったような感じでもある。そしてこの頃が我々にとって最も始末の悪い時期でもある。
これはコセンダングサだと思うのだが、コセンダングサは先っぽの針が3本あると書いてある。でも2本のばかり目に付く(写真上)。もしかしたら違う種類のセンダングサかもしれないが、ここらでは花びらの無い冴えない花しか見たことが無いからきっとコセンダングサだと思う。

写真をよく見てみる。すると胴の部分と針の部分では、生えている棘の方向が違うことが分かる。これでズボンの裾にひっついて、しかも少々こすれたぐらいでは取れないのだ。靴紐にまでひっついてくる。僕は歩くときに気をつけるけれど、うっかりこいつがひっついてしまうことがある。「やばっ」と思って振り向くが、そんなときは、足元などまるで気にしていない子どもの、ズボンから上着の裾あたりまでおびただしいほどのひっつき虫が覆っている。「わー」と嘆きつつ、仕方ないから一つずつ取ってあげる。案外時間がかかって面倒くさい。しかも、手袋についてきてしまうから手袋を外さないといけない。取ったつもりでもよく見ると針の部分が布地に残っている。でもこの針まで取ることはとてもできない。
憎っくきセンダングサであるが、こうやってその構造を見るとその出来栄えに感心してしまう。良く出来たものだ。