シーボルト邸跡

長崎への観光客の多くが訪れる大浦天主堂とグラバー邸がある地域は市電の終点近くの駅が便利だった。そこから市電を乗り継いで反対側の終点近くまで行くと、シーボルトが住んでいた地域がある。この付近は、グラバー邸付近とは違って日曜日にもかかわらず観光客の数が少ない。
シーボルト(Philipp Franz Balthasar von Siebold)は社会科の教科書でもお馴染みだが簡単におさらいをすると、幕末の1823年に長崎の出島にオランダ商館医として来日したドイツ人医師だ。在日中には日本についての様々なことを精力的に研究したことでも知られる。
邸宅跡の横には三階建ての資料館があり、縁の品の数々が展示されている。シーボルトが日本で過ごした期間はほんの数年間なのだが、帰国後にすばらしい博物誌を著するなど日本に与えた影響はとても大きい。博物館の端くれに勤務する者にとって、その展示内容は感慨深いものだった。