雪に煙る景色

今日は天気予報で知らされた通り雪になった。先週の雪よりもたくさん降るような言い方をしている人もいたが、積もるほどにはならなかったのでほっとした。皆が雪にはとても神経質になっている。昨年の大雪が山梨県民を雪過敏にしてしまったのだ。
立春を迎えていきなりの雪だったが、「暦の上では春なのに」という話もあった。これも何となく誤解を与えるような言い方だ。まるで暦のほうが間違っているような印象を与える。気象庁では、3,4,5月を春、6,7,8月を夏、9,10,11月を秋、12,13,1月を冬と規定しているという。それが天気予報などでも使われ、いつしか人々の季節の感覚がそうなってしまったのかもしれない。春は暖、夏は暑、秋は冷、冬は寒というところ。しかし、立春などの24節気は太陽暦なので旧暦のように新暦とずれが出るものではない。立春はいつも寒いこの時期だし、立秋はいつも暑いさなかのことだ。24節気の配置をみると、一番寒い時から暖かい時期への局面が春、夏はそこから暑さのピークへ、そして秋は暑さのピークから涼しい時期へ、冬はそこから寒さの底へ、となっている。たぶん、気象庁のそれと1か月ほどずれている感じだ。
だから、立春の頃に雪が降るのは「春なのに」ではなく「春の初め頃だからあたりまえ」となる。ほかの季節についても同様に考えると、「暦の上ではもう○○なのに」という毎年テレビで繰り返されるセリフの無意味さが際立ってくる。