壁際のノボロギク

アパートの入り口にノボロギクが生えていた。壁とアスファルトの間の僅かな隙間を見つけて根を下ろしたようだ。なかなか逞しい。しかし、僕にはこの花がなんとも貧乏臭く見えて嫌いだ。葉っぱの縮こまった感じやパッと開かない花の咲き方など、まるでひっそりと目立たぬようにしているような印象で好ましくない。ノボロギクを漢字で書くと「野襤褸菊」となるそうだ。「襤褸」というのは所謂「ボロ」のことで、ボロを着ているとかボロっちい家などと使われる。なるほど貧乏臭い植物に良く似合った名前を付けてくれたものだ。早いとこ抜いてしまおう。