夕焼けと飛行機

暖冬になると言われていたこの冬は、12月に入ってからの低温続きですっかり寒い冬のイメージになった。初夏の頃、テレビで天気予報をする連中は、もうすぐ「エルニーニョ」が始まると言っていた。だからこの冬は暖冬、もしかしたらこの夏も冷夏になるかもしれないと占っていた。しかし、夏は暑かったし、冬は寒くなった。
そこで気象庁のウェブサイトを見てみると、平成26年12月10日の発表では「エルニーニョ現象が発生しているとみられる。ただし、大気の状態にはエルニーニョ現象時の特徴が明瞭には現われていない。今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高い。なお、このエルニーニョ現象は既に夏から発生していたと考えられる」とあった。
まあ、「知ったかぶり」だったのだろう。エルニーニョが発生すれば「冷夏」になり「暖冬」になるという思い込みをもとに、気象予報士様たちは公共の電波の中で得意顔にしゃべっていたのだ。でも、なかなか自分が言ったとおりになってくれない。いきおい、自分の正当化のためには「エルニーニョの発生が遅れている」と言うのが妥当だった。とすれば、気象予報士様たちにとって、気象庁の発表にあった『エルニーニョ現象時の特徴が明瞭には現われていない』『このエルニーニョ現象は既に夏から発生していたと考えられる』という言葉は、さぞかしショックだったことだろう。ひょっとして気象庁の悪戯ではないかとすら思ってしまうほど。