普通電車

今日は、東京へ友人に会うために出かけた。天気が良ければ単車で行こうと思っていたのだが、雨降りの予報も出ていたし昨夜から雨が降り出したこともあって電車で行った。もはや僕には雨降りの日に合羽を着て単車に乗るだけの根性と体力がない。
時間がたっぷりある休みの日でもあったので、普通電車に乗ってみた。お伴の文庫本は朝のうちに探した横光利一にした。もう30年も前に読んだ本だ。この頃の文庫本の活字は今よりも随分小さい。早世した横光利一の作品は青空文庫でも読めるが、僕の場合は活字が小さくても老眼であっても文庫本の方が読みやすい。
夜中にやっていたサッカーW杯予選最終戦の戦を見たこともあって、所々で居眠りしながらであったが、「機械」と「春は馬車に乗って」を読んだ。同じ作者でありながらこれほど作風を変えられるのは技量の高さゆえだろう。機械はページが文字でびっしり埋められていて、隙間が無い。春は‥はセリフとセリフの間に綺麗な表現が挟まれる。でも、この辺の作家の本はブックオフの棚では一切見ない。