活躍するヘリコプター

近所で発生した山火事の現場に、水袋を提げたヘリコプターが飛んできた。回るローターが空気を切り裂く激しい音を聞いてベランダに出た僕は、珍しいその装備姿に興奮してカメラを構えた。
十何年前のIMAX映画に「Straight up」という作品があった。大きいのや小さいの、双発や変わった形式など、様々なヘリコプターとそれを駆使して働く様々なプロフェッショナルが出て来てその仕事の様子を撮影した教育的な作品だった。それは見ごたえのあるとても良い作品で、レスキュー隊が活躍する海難救助のラストシーンが恰好良かった。この作品の日本語タイトルは「活躍するヘリコプター」というもので、原題の直訳とは全く意味が違うのだが、実にピッタリのタイトルだと思った。
ところで、水袋を提げたヘリコプターが現場上空にやって来た頃には、山火事はすっかり消えていた。しばらく水袋をぶら下げたまま上空を回っていたが、残念ながら僕は活躍するヘリコプターの姿を観ることが出来なかった。