タマゴダケ


3年前の写真だが、この季節の風景ということで。
秋のキノコシーズンの最初を飾る種類と言われる。少なくとも僕はそのように教わった。お盆が過ぎてまだ残暑と涼しさが行ったり来たりする頃、高原の下草に赤い色を見せ始める。この写真はまだ地面から出てきたばかりの姿だが、この後に10〜15cmぐらいの直径の大きな傘を開く。このように真っ赤なものもあるし、ずいぶん黄色に近いものもある。、まだ秋の紅葉した落ち葉が散っていない頃でもあるので、森の中でとても良く目立つ。先月21日に海洋道中の事後研修会で八ヶ岳少年自然の家に行ったときにも、玄関前の庭に2本ほど見つけることができた。(雨降りの日だったから見つけられた人はいなかったかも)
ツボがあってツバがあってと、毒キノコの基本をしっかり身にまとっている。しかも色はなんとも毒々しい。でも、実態は毒は無くてとても美味しいキノコだ。図鑑の受け売りだろうと言われそうだが、僕は本当に食べた。いろいろと食べ方はあるのだろうが、僕は最初に教えてもらった食べ方が美味しくてその後はそればっかりやっている。タマゴダケ刻んでをバターと醤油とちょっとの砂糖で炒める。熱が加わると色はサッと黄色に変わる。水分が多く、水気が出てくるが、これが真っ黄色になる。ご飯とぴったりだ。まるで卵かけご飯の味がする。タマゴダケという名前は、ツボが卵の殻のようだからというようなことを書いてあるものもあったけれど、僕は、きっとこの味からきているのではないかと思っているのだ。でも、もう2年食べていない。

ところで、インデックスを便宜上「植物」としたが、近頃はキノコなどは「菌界」として動物や植物とは別なものとして分類されるのが普通になってきている。僕が高校ぐらいで習った頃にはどうだっただろうか、もう覚えていない。でも20年ぐらい前までは、生物は「動物界」と「植物界」の二界に分かれていて、キノコは植物界に分類されている。そう当たり前のように思っていた。みなさんはどうだろうか。
その後知ったのは五界説という分類。動物界、植物界、菌界、原生生物界、モネラ界と分けられる内の菌界にキノコは分類されている。と思ったら、更にその後知ったことで、界の上にドメインという分類を積み上げた分類もある。二界説→三界説→四界説→五界説→六界説と来たら、界が増えすぎたからということでドメインを上に重ねて三つに分けたということのようだ。7〜8年前に行かせてもらった研修で、国立科学博物館の生物学の先生の講義を受ける機会があったが、そのときにこのあたりのことを知ることができた。
まあ、キノコの分類はちょっと変わったわけだが、我々人間の分類はリンネ(生物学者1707〜1778)の昔から動物界に所属することに変化は無い。

決まり文句を忘れていた。
タマゴダケの仲間には1本で何人もの命を奪うほどの猛毒菌がある。この写真だけを頼りにキノコ狩りをして食べるようなことは絶対に避けていただきたい。野性のキノコを食べるなら、必ずキノコに詳しい人と一緒に採集してほしい。それでも毎年キノコによる中毒者がいる。十分注意されたい。