蜉蝣

数日前のニュースに、荒川で「カゲロウが大量発生」というのがあった。カゲロウと言うと、はかないものの代名詞のように言われる。成虫の弱々しさや短い命から由来するということのようだ。

荒川に行ってみると、橋の上の隅っこに累々と死骸が集まっていた。(上の写真)大量発生後、数日で命が尽きてしまったということだろうか。箒で掃いて捨てるほどたくさんある。でも、カゲロウは成虫になってももう一回脱皮をするということだから、死骸じゃなくて脱皮した抜け殻かもしれない。良く見てみたら、やっぱり抜け殻のようだ。(下の写真)

カゲロウが「はかない命」というのは、もしかしたらこの様子を見て言われたことではないだろうかと思う。「羽化したばかりなのに、もうみんな死んでしまって、、、はかないねえ」なんて言ったりして、たくさんの死骸を見る。でも実際には、死骸と見られたのは抜け殻で、本当の成虫は別のところで生き残っている。なんていうことかなと。
人間の世界にはそういうことがよくある。本質を見極めずして虚構を信じ込んでしまう。科学でも、歴史でも、報道でも。そういうことを上手く利用して生きている人もいる。例えば、本質とは違って虚構で飾られた人。ちょっと自分を大きく見せようと飾ってたら、それを信じた人々はさらにその上に虚構の衣をかぶせて行き、どんどん大きな虚構になっていく。そして今さら引き返せなくなる。

ところで、蜉蝣と書くとこのカゲロウのことだが、蜻蛉と書くとトンボのことのようだ。