太良峠(2)

太良峠でしばらく休んでから再びエンジンをかけスタート。道は北方向へ向かって下る。そしてぐるっと東へ回り込んだところに最初の集落がある。標高1,000m付近に南向きに広がる明るい集落だ。ここのサクラは満開だった。

甲府側の道は木々が覆いかぶさって薄暗いところが多かったが、山梨市側は非常に明るい道が続く。斜面に作られた畑は決して広くはないが、水仙の花が土地の良さを自慢して咲いているようにも見えた。

そして、山の景色が終わり葡萄畑が広がる景色に変わった。ちょうど葡萄畑に手を入れる時期のようで、剪定した枝が積んであったり、古い針金が捨てられている場所もあった。
富士山がよく見える場所で単車を停めて写真を撮っていると、「いー景色だろ、ここは六合目まで見えるだよ。その下のごちゃごちゃしたところは隠れて見えねえから本当の絶景だよ」と葡萄栽培用と見える特殊な車両に乗っていたおじいさんが、車を停めて自慢げに話しかけてきた。