台風

台風が去った後の散歩道は川沿いを選んだ。
三方護岸に囲まれた相川は、所々に波を立てながら茶色い水が轟々と流れていた。それでも、僕が歩いた時点では既に水は最高位からは引いていたと見えて、流れに現れた草が一斉に下流に穂先を向けて横たわっている様子が見られた。相川が荒川に合流したところが散歩の目的地だった。荒川は広い河原一杯に川幅が広がり、相川以上の迫力で流れていた。中州はすっかり水中に没し、灌木が強風に折れそうだった。