カゼグサとアサガオ

イネ科は判りづらいのでこれがカゼグサかそうじゃないかわからないが、朝顔の方はマルバアサガオ。ふわふわな中で咲いている朝顔は気持ちよさそうに見える。
今朝、今シーズンで初めて車のガラスに霜が降りていた。車の温度計は3℃だった。それでも咲いているマルバアサガオは逞しい。
マルバアサガオは江戸時代に観賞用として持ち込まれ、原産地は熱帯アメリカだという。江戸時代だということはアメリカから直接来たのではなくオランダを経由してやって来たということになりそうだ。なかなかの長旅である。やっかいなのは熱帯アメリカという言葉の方だ。あちこちのサイトに原産地としてこの言葉が出てくるが、恐らく孫引きやひ孫引きなのだろう。地理用語としてはピンと来ない。南北アメリカ大陸とすると、メキシコ南部からブラジル北部ボリビア、ペルー付近までに挟まれた広い地域のことだろうか。
熱帯出身のアサガオが、ヨーロッパで逞しく育ち、再び海を渡ってやって来た日本の地で初冬の寒さに耐えて咲いている。百年以上も前にはその花の美しさを愛でるために植えられたのに、今では外来種として冷たく扱われる立場になった。人間に、時代に翻弄され気の毒にも見える。