カヤツリグサの真ん中へん

カヤツリグサは畑によく生える。でもひっぱると簡単に抜けるのでそれほど憎たらしくない。ただ、放っておくと数十センチの高さになってしまうのもあるので邪魔くさい。いわゆる「雑草」だ。
でも、雑草という名前の植物があるわけでもないので調べてみた。葉といい実といいイネ科と思いがちだが、カヤツリグサ科という分類にあり、しかもその上にカヤツリグサ目という分類もあるから、かなり独立した種類らしい。利用についてもイネ科は食物として使われているものが多いのに対して、カヤツリグサ科は食べられていないようだ。まあ、あんまり役に立たない草ということだ。
ところが、「パピルス」という言葉が目に付いた。あの古代エジプトで誕生した紙の起源と言われるものだ。最初に習ったのは中学校の歴史(ちなみに歴史は社会科という分類に属する)の授業だっただろうか。どこの畑でも庭でも邪魔な雑草として扱われているカヤツリグサの仲間にはこんな栄光の歴史を持つエリートがいたんだ。雑草と言われ蔑まれ、抜かれて捨てられ、名前すら覚えてもらえない、知ろうとも思われない。そんな人間にとって意味無いと思われている草は、実は人間の歴史を作った重要な草だった。
人間にもそんなことが当てはまることがある。冴えない感じの人だなあ、と思って付き合っていたら、実はとても高い能力を持っている人だった。なんて、僕にもそんな失敗した経験がある。逆もある。自信満々な人だし、、、、、もういいや。
人は見かけによらないと言うが、雑草も見かけによらない。