台風15号直撃

台風15号の目が甲府を通過した頃、帰宅時間となった。強い風が大きな木を揺らしていた。駐車場には木の葉や枝が多数落ちていた。愛宕山のくねくね道を降りていくと、あちらこちらで滝のように水が落ちていて、豪快な眺めだった。数年前に石がどっさり入ったネットが階段状に置かれた場所が2箇所あるが、どちらも豊富な水量で、水を側溝を越えて道まで流しており、石ころも道路へ運んでいた。だいぶん暗くなってからの撮影なので写真の出来が悪いが、迫力が伝わるだろうか。

ところで、このところ気になっていることがある。台風12号が来て、紀伊半島に土砂崩れをもたらした結果、川を堰き止めて湖を作ってしまったのだが、気になっているのはその呼び方。土砂ダム土砂崩れダム、堰止湖。僕にとってしっくりくるのは「天然ダム」による「堰止湖」だ。聞いていて一番嫌なのは「土砂ダム」、「土砂崩れダム」もちょっと嫌だが、まあ許せる範囲。
「ダム」という言葉には、人工的なものという意味を持っていると思う。だから、土砂ダムと言われると、土砂を積み上げて建設する形式のダムという印象を持たされる。例えば岐阜県にある御母衣ダムは石を積み上げて建設したロックフィルダムという形式だし、エジプトでナイル川を堰き止めて建設した有名なアスワンハイダムも大量の土砂を積み上げたロックフィルダムだ。だから、土砂崩れで川をせき止めた天然ダムを土砂ダムと呼ぶのは、気持ち悪いからぜひやめて欲しい。
土砂崩れダム」というのもなんだかしっくり来ないが、「天然ダム」の成因に、地震、火山噴出物、ビーバー等がある中で、成因の一つとしての土砂崩れを感じさせるから、ダメとも言えないかもと思う。
でも、せっかく以前から教科書などで使われてきた用語があるのだから、そういう言葉を大切にして欲しい。NHKはあらためてさすがだと思う。