オニヤンマ

かなり久しぶりに出かけたフィールド調査。台風は去ったが、その影響はあちこちに残っていた。川はまだ茶色で水量は多く、大きな音を立てて流れている。奥秩父の方向では大きな積乱雲ができ始めていた。今日は山には水気がたっぷりあるからどんどん大きくなる。
とある集落の坂道。蓋がされている側溝では、水が音を立てて流れている。でも、カサカサという音も混じっている。グレーチングになっているところをよく見たら、オニヤンマが外に出ようとバタバタ飛んでいる音だった。久しぶりにオニヤンマを見た。緑の複眼がきれいだった。このままにしておいてもやがて消耗して死んでしまうかと思い、グレーチングを持ち上げて逃がしてやった。
あのオニヤンマはどこから入り込んでしまったのだろうか。台風に飛ばされて狭い穴ぐらに吹き込む風と一緒に入ってしまったのだろうか。それとも、もともとあの側溝の水で育ち羽化したのだろうか。
昼を過ぎると、午前中に奥秩父で成長した雲は甲府盆地へ移動して日の光を遮った。