ユキピリカ

北海道の帯広は、お菓子の町。ホワイトチョコレートで名高い「六花亭」、三方六というバームクーヘンの「柳月」、そばやきの「竹屋」、スイートポテトの「アンデルセン」など、お土産はお菓子が相場だ。近頃は花畑牧場の「生キャラメル」というのも人気だ。
ここ数年、特に良いのが写真の「ユキピリカ」という柳月の商品。六花亭のマルセイバターサンドのような全国区の有名菓子ではないが、かなり良い。
はじめの頃は左上の二色だけだった。今はそれらも袋のデザインが変わり、更に違う味が加わった。今日食べたのは新しく出たイチゴ味、チョコ味の真ん中にピンク色のイチゴ味部分がある。オリジナルの二色は雪の結晶型だが、イチゴ味はハート型になった。
帯広がお菓子の町になったのは、ちゃんとした理由がある。最近、全国各地で流行りの無理矢理なご当地名物ではない。帯広を中心とした十勝平野では、ビート(甜菜;砂糖大根)の栽培が盛んに行われている。そして、日本甜菜製糖株式会社(日甜)という大きな砂糖会社もある。日甜の創立は大正8年というから、かれこれ100年近い歴史がある。当然、ビート栽培もそれ以上の歴史がある。そして、小豆をはじめとする穀物生産も多い。だから、全国にお菓子の町を名乗る土地は数々あろうが、帯広はその基礎がしっかりしている。
ただし、例えばタラコの大多数は北海道で獲れるものの、辛子明太子は福岡の名物になった。この場合、北海道は単なる原材料供給地に過ぎない。帯広の場合、ビートや小豆などの原材料生産と、お菓子などの製品工業が結びついて強固な名物を作り上げた。そして、帯広の人たちはお菓子をよく食べる。