氷瀑

連日の冷え込みだから、もしかしたら見られるかなと思って「千波の滝」へ行ってみた。案の定、上から下まで氷になった様子を見ることができた。
寒い中をわざわざオートバイで行ったものだから一層寒かった。甲府盆地を走っている間は良かったが、峠を越えて旧上九一色村に入るとぐっと空気が冷たくなった。芦川沿いを下流に向けて曲がり、道がちょっと広くなった日向で止まった。国道から少し離れたので、車の音が聞こえなくなった。オートバイのエンジンを止めると更に静かになった。手が冷たいので両側からエンジンを触った。身体も冷えている。ここから先の方が長いなと思ったが、戻るのもつまらないので先へ進んだ。
集落が現れる。日向側には家が多い。日蔭側が広いところでも狭い日向側に家が建ち、日蔭側には家もあるが主に田畑として利用されている。集落によっては廃屋の方が多いようなところもある。やがて道が芦川に架かった橋を渡って日蔭側に移った。とたんに寒くなった。路傍には雪が残り、道には凍結防止剤が撒かれている。路面もぬれているので、凍っていたらやばいな、と思う気持ちのためにスピードが上がらない。「もうすぐ橋だ」と、日向の道が恋しくなる。体が一層冷えてくる。
ようやく橋を渡ったところで左の奥のほうに千波の滝が見えた。氷瀑になっていた。これを見に来たつもりだったのにカメラを持ってこなかった。というわけで、この写真は携帯電話で撮影したもの。ここでも手を温めた。帰ってからの熱い紅茶が美味しかった。