ミンミンゼミの顔

昆虫の顔は、我々が顔として親しんでいる哺乳類・爬虫類・鳥類の顔とはずいぶん違う。しかも、昆虫と一口に言っても昆虫の中で顔がかなり違う。特にセミは顔の造形がすごい。ウルトラマンに出てくる有名は「バルタン星人」はセミの顔をモデルにしているという。ウルトラマンの前のウルトラQでは「セミ人間」というのが出てきた。こっちの方がセミの顔に近い。どちらもデザイナーは同じ人だ。バルタン星人はセミ人間を下地にしてできたものだともよく書かれている。
セミの場合も、セミ人間の場合も、バルタン星人の場合も、顔の両側にある黒い二つの目が特徴的だ。そしてその間に長く伸びた口吻がある。ミンミンゼミの顔をよく見ると、目と目の間に赤い点が3つある。この3つの点も目なのだそうだ。手塚治虫の漫画に「三つ目がとおる」という作品があった。主人公の写楽くんにもおでこに目があって、普段バンソコで隠されてるその目を見開くと大変な能力を発揮するというものだった。セミは真ん中の小さな3つの目で何を見ているのだろう。セミにある3つの目はセミ人間にもある。でもバルタン星人には無い。セミセミ人間には見えていた何かが、バルタン星人には見えていないのか。