山高神代桜

山高神代桜は、今は北杜市になった旧武川村の標高573mに位置する「大津山 実相寺」にある。実相寺と聞くと、お寺というよりもウルトラマンウルトラセブンの名物監督であった実相寺昭雄さんの顔や作品を思い出してしまう人もいることだろう。僕もこの寺の名前を見た途端に、ジャミラメトロン星人の姿が浮かんだ。

季節は秋、もちろん今は桜の花の季節ではない。だから周りには僕以外には誰もいなかった。寺のすぐ近くにある公園の駐車場に単車を止めたのだが、そこにも車は1台も止まっていなかった。とても静かな丘で、林に区切られた田んぼや長芋の畑などが広がり、境目に住宅がぽつりぽつりと建っている。ただし、飲み物の自販機が数台あったところをみると、花の季節には訪れる人も多いことがうかがえる。

寺の境内には神代桜の子桜をはじめとして、各地の著名な桜の子桜が植えられていて、大きな株に育っていた。こうなると、交配が進んで変わったものが出るかもしれないなと思った。もしかしたら、そんなことを意図していろいろ植えたのだろうか。神代桜は寺の境内の奥の方にあった。ずいぶん長寿の木だと聞いていたが、かなり太い幹があるものの葉の勢いは弱い感じで、樹勢の衰えを感じさせるものだった。
せっかくなので、自販機で飲み物を買い、駐車場にあったベンチに座ってしばらくのんびりしてみた。